イスラム誕生の時代背景

イスラムがアラビア半島の西部、紅海沿いのメッカに誕生したことはすでに述べた。今回は当時の中東地域の状態がどのようであったのか述べてみたい。ササン朝(226~651)がビザンツ帝国(395~1453)と争っていたこともすでに述べたが、上図で示す通り、両者の間では継続的な戦争状態が続いていた。そのことによって絹の道を通じて行われていた商業活動がリスクを回避するためにアラビア半島へ迂回するルートを選ぶようになっていった。インド洋からアラビア海にかけての水域は海にシルクロードと呼ばれるほどに商業活動が活発な海域になっていった。アデンやメッカ、メディナなどの土地が貿易中継地となって繁栄したのであった。メッカの富める商人たちとムハンマドが対立したのはそうような時代であった。元来、部族性を基礎とする遊牧社会のアラブでは互いに授けあう社会だったが、大商人が富を独占し貧富の差が拡大するという社会的な矛盾が激化していたのだ。

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