サファヴィー朝(2)

イスファハーンの首都建設の際にアッバース1世は優秀な異民族の能力を活用した。特に有名なのがアルメニア人たちである。イスファハーンにジョルファという地区があるが、そこはアルメニア人たちを移住させて住ませた地区である。彼らはキリスト教徒である。従って、今現在もイスファハーンには多くのアルメニア人が住んでいる。そして、冒頭の写真は彼らのためのキリスト教会である。イランと言えば、ガリガリのイスラム国家であるが、異教徒を全く拒否しているのではない。

アゼルバイジャンとイランの国境の地図を上に示した。右の海がカスピ海である。その西方にジョルファという町がある。イスファハーンのジョルファ地区にいるアルメニア人たちの祖先はこの辺りから連れてこられた人と、旧市街に住んでいた人たちであろう。アルメニア人というと日本では余り馴染みがないかもしれないが、商業的な才能に秀でていることでも有名であり、世界中に進出している。キリスト教をいち早く公認したのもアルメニア王国であったために、エルサレム旧市街にはアルメニア人の居住区もある。私個人的には、テヘランに住んでいたころであるが、街中にある数多くの雑貨店をはじめとした商店主がアルメニア人であった。実直で真面目な人たちで安心して買い物ができる印象だった。イスファハーンの街づくりには彼らが貢献したようだ。職人としての技をイスラムの人々にも教えていったのである。

今回も写真を何枚かアップする。私がアルメニア教会を訪れた時のものである。そこで出会ったアルメニア人の母と子がいたので、写真を撮らせてもらった。