ペルシア語講座1(はじめに)

ペルシア語は美しい言葉である。アラビア文字を使用するために一見して取っつきにくい、難しそうと思うのであるが、それほど難しい言語ではない。というのは、アラビア語に較べると語彙の変化が殆どないという点が大きな理由である。このブログの新たなジャンルとして今回から「ペルシア語講座」を入れることにした。

ペルシア語はインド・ヨーロッパ語族に属する言語である。従って、英語に近い言語である。ペルシア語を学び始めるとすぐに、英語と同じ語源である語彙に出会う。例えば、娘・少女はدخترと書いて dokhtar (ドクタル)と発音する。英語の daughter である。英語ではスペルの中のghを発音しないが、ペルシア語では明確に喉の奥を擦るようにして発音する。英語でも昔は発音していたのかもしれない?。男の兄弟は brother である。ペルシア語では برادر と書いて barodar (バローダル)である。語源は同じである。というものの何もかもが一緒というのではなく、むしろ探せばあるという程度かもしれない。

先ほど、それほど難しくないと言った。それは変化が少ないからだと述べた。ペルシア語の場合は単数の名詞を複数にする場合は単数の語尾に ها ha を付ければよい。語彙によっては a-n (アーン)の時もある。ganという例外もあるが。そしてあとは動詞の語尾が人称によって変化する。詳しいことは各論の中でゆっくりと説明することにしよう。

最初にペルシア語は美しい言葉であると述べた。前回、ペルシアの詩人の話をしたが、是非ともペルシア語の詩を聞いてもらいたいものだ。過去の有名詩人の作品でもいい。現代詩人の詩でもいい。内容が分からなくとも聞いてるだけで癒されるリズムと旋律で詩が詠まれるのである。fereydoon Moshiri のkuhcheh(路地)をユーチューブにリンクしてみた。

冒頭の文法書は私が昭和40年に大学一年生で最初にペルシア語を学んだ時のものである(これは社会人になってイラン駐在時にテヘランの書店で買ったものであるが)。当時、日本語で書かれた参考書はどこにもなく、英文で書かれたこれが大学で使う教科書であった。またネイティブのペルシア語は客員教授のカーゼン・プール先生のものしかなかった。今ではインターネットやNHKワールドなどでもネイティブの音声はいくらでも聞けるが、当時はそうではなかった。隔世の感である。

キーワード:ペルシア語、ペルシャ語