書籍紹介:アラブのことばと絶景100

先日購入した本を紹介します。タイトルは「生きる知恵を授かるアラブのことばと絶景100」です。先ずはアラブの絶景というと何を思い浮かべるでしょうか。私自身が第一に思い浮かぶ景色というと砂漠に沈む夕日です。あるいは夕暮れの砂丘を歩く隊商の駱駝の列、そうです平山郁夫さんの絵の景色などです。表紙にも駱駝の列が見えます。


実際に中を見ると、そのような景色もありました。成程と思ったのはローマの遺跡です。ローマ帝国が北アフリカ、中東地域を支配していた時代の神殿などの遺跡です。勿論、アラブで生まれたイスラムの建築が多いのは当然です。

さて、タイトルにある「生きる知恵を授かる言葉」とは、どのような言葉なのでしょうか。第一に浮かぶのはコーランの中の一節や言葉です。が、この本の中にはそれ以外の諺や偉人?や歴史上の人物の言葉が絶景の風景に合わせて紹介されているのです。著作権の侵害ではなく、この書籍のPRのために2つだけ紹介してみましょう。

絶景33:上の写真は「マダイン・サーレハ」。サウジアラビアの古代遺跡として世界遺産に登録されている。紀元前1世紀から紀元後1世紀のナバタイ人の遺跡だそう。この頁で紹介されている言葉は「開けゴマ」。その解説文をそのまま次に引用する。

乾いた大地でも力強く育ち、食用油も採れるゴマは、アラブでは古くから重要な作物でした。実は熟すと突然割れて種を外へはじき飛ばします。盗賊が宝物を隠した岩屋の扉を開けるとき、アリババが唱えたこのあまりにも有名な呪文は、その様子から作られたのではないかともいわれています。この物語はシリアの説話をもとに創作されたと伝わります。

絶景54:

これはモロッコの Royal Palace。13~15世紀のマリーン朝の君主の居城で、現在も国王がフェズに滞在するときに使われるそうである。モスクの煌びやかな外壁とは異なり、地味ではあるが美しい。この頁の言葉は「種蒔き育てる人が刈り取る」という諺である。その意味を引用しよう。

まじめにコツコツとがんばる人こそがその努力の実りを享受することができます。反対に怠惰で努力をしない人は何も得ることはできないともいえます。刈り取ることができるのは自分が蒔いた種だけということです。「千里の道も一歩から」。努力は報われることを信じて少しずつ進んでいきましょう。

この本の発行所は「株式会社地球の歩き方」
発売元は「株式会社学研プラス」
価格は1650円。
それに凄いのは全部ではありませんが、紹介されている言葉にアラビア語が併記されていることです。
久しぶりにお勧めの一冊です。

 

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