中東世界の女性たち:シバの女王

前回はアフガニスタンの女性キャスターの服装の話題だったので、今回もそれに関連して「中東世界の女性たち」と題しましょう。イスラム世界ではなく中東世界です。

最初は「シバの女王」です。シバの女王といえば、エルサレムのソロモン王と知恵比べをしたことで有名な人物である。現在のイエメン辺りが彼女の王国であったという伝説の人物である。伝説と同時に歴史上の人物でもある。現在のイエメンは世界で最も貧しい国の一つに数えられるが、かつては幸福のアラビアと呼ばれるほどの豊かな国であった。乳香、香料など貴重な品の産地として有名であった。また、古代都市マーリブつには世界で最も古いダムが造られていたことが知られている。ダムが建設されて灌漑がなされたということである。マーリブダムの辺りではシバの女王の宮殿跡だとされる「月神殿(アッワーム)」の遺跡が発掘されている。

シバの女王がソロモンに会いに行った当時の簡単な地政図は次のようになる。ダヴィデやソロモンがユダヤ人の国を作り栄えた時代であった。この時代と先ほどの月神殿の時代がマッチするのか疑問視されたこともあったが、月神殿の地下にもっと古い時代のものがあるらしいということで、ソロモンとの知恵比べの話は根拠のない話ではないという見方が強くなったのである。ソロモンとシバの女王の知恵比べの話はネットを見ればいくつも出て来ることであろうから、ここでは触れない。ここで言いたいことは、イスラム世界ではないが、イスラム以前の中東世界において男性のソロモン王に対しても引けを取らない女性がいたということである。