バーレーンもイスラエルと国交樹立

アラブ首長国連邦がイスラエルと国交を正常化させたという記事を書いたのが8月15日でしたから、およそ1ヵ月後の昨日、バーレーンとイスラエルが国交を正常化させると合意しました。予想通りの展開になっていることですので、驚きはしません。

トランプ大統領はこのような合意を仲介することによって、中東和平の進展を推し進める功労者として自己アピールしているわけです。それが大統領再選へむけて大いに後押しをしてくれると信じて、精力的に運動してきたわけです。それと同時にやはりイランの孤立化、イラン包囲網を築こうとしているわけです。

バーレーンという国は人口が150万人位の小さな国です。バーレーンの影響力はそう大きくはありませんが、アラブ首長国に続いてのことですから、今後もサウジアラビアなどが続くと予想されます。すでにイスラエル機はサウジ上空を飛ぶことが暗黙の了解になっているとも報じられています。時間の問題でしょう。

問題は一連の流れが中東和平にどう影響するかということです。日本ではほとんど真剣な議論が公になっていません。パレスチナ問題の解決・和平につながるならば文句はありませんが、逆に解決から遠ざかるようなことになる可能性も大きいのです。和平への仲介をするならばパレスチナ自治政府を抜きにしてはスムーズに運ぶ筈がないことは自明です。トランプの考えていることは、中東和平ではなくて、自分の大統領選なのです。

UAEがイスラエルと国交を樹立

昨日 (Aug.14,2020) の中日新聞の記事画像です。イスラエルとUAEが国交を結ぶことを発表したのです。既にエジプトとヨルダンが国交を結んでいるので、アラブ諸国では三カ国目になります。これにより、イスラエルはパレスチナ自治区の併合をこれ以上進めないことを確認したとありますが、私はどこまで守られるかは疑問に思います。よく見ると「一時的に」という条件が入っているようです。

このあと、中東地域の反応をサウジアラビアとヨルダン、イランの新聞で少しみてみました。それはそれとして、私見を述べてみると、既にアラブ諸国はイスラエルと対峙して戦うことはあり得ない状態になっているということです。4度にわたる中東戦争当時と今ではアラブのイスラエルに対する敵対心は完全に骨抜きになっているのです。戦っても勝てる相手ではないでしょう。今回の両国の合意はトランプ大統領の仲介によるものです。この協定はトランプ大統領の思惑で実現したものです。ユダヤ人がイスラエルを建国して以来、パレスチナ問題が発生しユダヤ人対パレスチナ人という対立がイスラエル対アラブ諸国という対立の構造になっていました。イスラエルは国際法違反といわれながらもパレスチナのエリアに侵略してきました。長年の紛争が解決されることもなく現在に至り、アラブ諸国のパレスチナ問題に対する考え方が変化してきました。サウジアラビアの王子は訪米した際に「パレスチナ問題は重要ではない」というような発言もしています。一方で、イランでは1979年に革命により王政が崩壊しました。湾岸のアラブ諸国は殆どが王政です。イランからの革命の輸出を恐れました。それ以来イランと対立するようになっています。イランはシーア派、アラブ側はスンニ派が主流なので両者の対立があるというのは短絡的な発想です。イスラムの宗派の違いはこの場合の根本的な原因ではありません。今、トランプがこのような仲介をするということは、パレスチナ問題で対立していたイスラエルの敵であるアラブ諸国に対して、彼らの敵をイスラエルではなくてイランに変えようとしているのです。イランに対してアメリカが敵対していることは明白な事実ですね。

今回の合意に続いて、おそらくサウジアラビアもイスラエルと合意する可能性が大でしょう。他の国も追従してくるでしょう。そのようにアメリカは働きかけるでしょう。そしてイランを封じ込めようとするのです。トランプの思惑は近づいた大統領選挙です。苦戦が予想されています。是非ともユダヤ系の有権者の支持を得るがために彼は必至なのです。今回の合意を平和への一歩だと歓迎するメディアもあるようですが、本質を見極めることができていないと思います。それでは現地新聞に目を向けてみましょう。

当事国のリーダー、それに仲介役の米大統領の3者の顔写真を並べて、締結した共同声明の全文を掲載しています。興味ある方は読んでみてください。日本の新聞でも和訳で明日頃には掲載されるかと思います。

US President Donald J. Trump, Prime Minister Benjamin Netanyahu of Israel, and His Highness Sheikh Mohamed bin Zayed Al-Nahyan, Crown Prince of Abu Dhabi and Deputy Supreme Commander of the UAE Armed Forces, spoke Thursday and agreed to the full normalization of relations between Israel and the UAE.

This historic diplomatic breakthrough will advance peace in the Middle East region and is a testament to the bold diplomacy and vision of the three leaders and the courage of the UAE and Israel to chart a new path that will unlock the great potential in the region. All three countries face many common challenges and will mutually benefit from today’s historic achievement.

Delegations from Israel and the UAE will meet in the coming weeks to sign bilateral agreements regarding investment, tourism, direct flights, security, telecommunications, technology, energy, healthcare, culture, the environment, the establishment of reciprocal embassies, and other areas of mutual benefit. Opening direct ties between two of the Middle East’s most dynamic societies and advanced economies will transform the region by spurring economic growth, enhancing technological innovation, and forging closer people-to-people relations.

As a result of this diplomatic breakthrough and at the request of President Trump with the support of the UAE, Israel will suspend declaring sovereignty over areas outlined in the President’s Vision for Peace and focus its efforts now on expanding ties with other countries in the Arab and Muslim world. The US Israel and the UAE are confident that additional diplomatic breakthroughs with other nations are possible, and will work together to achieve this goal.

The UAE and Israel will immediately expand and accelerate cooperation regarding the treatment of and the development of a vaccine for the coronavirus. Working together, these efforts will help save Muslim, Jewish, and Christian lives throughout the region.

This normalisation of relations and peaceful diplomacy will bring together two of America’s most reliable and capable regional partners. Israel and the UAE will join with the US to launch a Strategic Agenda for the Middle East to expand diplomatic, trade, and security cooperation. Along with the US, Israel and the UAE share a similar outlook regarding the threats and opportunities in the region, as well as a shared commitment to promoting stability through diplomatic engagement, increased economic integration, and closer security coordination. Today’s agreement will lead to better lives for the peoples of the UAE, Israel, and the region.

The United States and Israel recall with gratitude the appearance of the UAE at the White House reception held on January 28, 2020, at which President Trump presented his Vision for Peace, and express their appreciation for UAE’s related supportive statements. The parties will continue their efforts in this regard to achieve a just, comprehensive and enduring resolution to the Israeli-Palestinian conflict. As set forth in the Vision for Peace, all Muslims who come in peace may visit and pray at the Al-Aqsa Mosque, and Jerusalem’s other holy sites should remain open for peaceful worshippers of all faiths.

Prime Minister Netanyahu and Crown Prince Sheikh Mohamed bin Zayed Al-Nahyan express their deep appreciation to President Trump for his dedication to peace in the region and to the pragmatic and unique approach he has taken to achieve it.

そして、パレスチナのアッバス議長が、協定にdismay つまり、がっかりだと表明しています。

そして、既に国交を樹立しているヨルダンのヨルダンタイムズは次の画面でした。

そしてイスラエルと最も対立しているイランはUAEは地域の安定を考えなければならないと当然反発しています。