イラン大統領選挙結果と州別の投票率

イランデイリー紙のオンライン版は選挙結果を報じています。その一部を自動翻訳したのが次の通りです。

内務省は土曜日、保守的な聖職者のライバルが敗北を認めた後、司法長官のSeyyed Ebrahim Raeisiがイランの第13回大統領選挙で62%近くの票を獲得したと述べた。Raeisiは、金曜日に投じられた2890万票以上のうち、1790万票以上を獲得した。これは、340万票を獲得した2位の候補者であるMohsenRezaeiをはるかに上回っている。アブドルナーセル・ヘマティは240万票以上を獲得し、セイエド・アミロセイン・ガジザデ・ハシェミは100万票近くを獲得した、とアブドルレザ・ラーマニ・ファズリ内務大臣は全国テレビで述べた。
イランには5900万人以上の有権者がおり、投票率は48.8%で、1979年のイスラム革命以来最低であった。Rahmani Fazliは、370万票が無効になったと述べた。

勿論、日本の各紙も報じているが、ここには落選した候補者の票数も記されている。また、今回の選挙は候補者の事前審査で民主穏健派がふるいにかけられたことで嫌気になった国民の多くが投票しなかったために、投票率が低いということが注目されたのであった。その投票率は48.8%であった。低いというが、日本の選挙と比べてどうだろうか。かなり高いように私は思う。保守強硬派を支持する層は積極的かつ組織的に投票したのであろう。

ペルシャ語日刊紙Hamshajri紙では、速報記事の中で各州別の投票率を前回の大統領選のそれと比較している。速報であるのですべての州が出そろってはいないが、それらを表にしてみたのが次である。

前回投票率 (%) 今回投票率 (%)
東アゼルバイジャン 65.0 44.0
北ホラーサーン 81.0 65.0
セムナーン 80.3 52.0
ガズヴィン 80.0 50.0
ケルマン 80.0 57.0
ケルマンシャー 70.0 45.0
ゴレスターン 78.0 57.0
ヤズド 93.0 57.0

前回の投票率が殆どの州で80%以上であったが、今回は50%前後となっているわけである。その差、30%の投票しなかった人は、投票したい候補者がいないために棄権したのであろう。もし、民主派、穏健派が候補者になっていれば、この投票率の差の30%を得ることができたであろう。そうすると保守強硬派は敗れることになる。前々回にロウハニ前大統領が選ばれたのは今回棄権した人たちが投票した結果の番狂わせであった。最高指導者たちは十分に情勢を把握しているがために、今回の事前審査では民主穏健派の候補者を一人も入れなかったのである。つまり、国民の欲している大統領の人物像をきちんと認識しているのである。そうである以上う、今回の保守強硬派と称される新大統領も強硬路線をひた走りすることはないであろう。最高指導者ハメネイがこの新大統領もコントロールしながらしたたかな外交を推進することであろう。