ペルシャ語講座8:形容詞 این گل قشنگ است

    این گل قشنک است 

前回は「名詞と形容詞」ということで、名詞と形容詞のつなぎ方を説明しました。ペルシャ語を使うときの語順は、日本語の語順にペルシャ語を並べていけば大体良いのですが、形容詞で名詞を修飾する場合は逆というわけです。今回は形容詞そのものの使い方がテーマですが、何も難しいことはありません。

この花は美しいです。 この=イン  花=ゴル  美しい=カシャング  です=アスト 。 日本語の語順通り並べたら、これで完成です。カタカナで書いているので発音をきちんとするためにアルファベットで書くと、in gol qashang ast となります。花は gol でして、決して goru ではありません。同様に美しいのカシャングのカは qa なので少し喉の奥から音を出す感じがいいでしょう。ペルシャ語で綴ると    این گل قشنک است なります。

あとは形容詞の単語を沢山覚えることになります。

  • 大きい ボゾルグ  bozorg  بزرگ
  • 小さい クーチェク kuchek      کوچک
  • 美しい カシャング qashang    قشنگ
  • きれい パーク   pa-k           پاک
  • 清潔な  タミーズ    tamiz          تمیز
  • 高い  ボランド       boland        بلند
  • 低い、短い  クウター  kuta  کوتا
  • 暑い  ギャルム      gyarm           گرم
  • 寒い  サールド      sa-rd             سرد
  • 美味しい  ホシュマゼ  khoshmazeh     خوشمزه

キリがないのであとは単語集などで語彙を増やして下さい。複数の形容詞を使う場合は形容詞と形容詞を英語の and に相当するva でつなげます。vaはペルシャ語では و 一文字です。また余談ですが、最初の例文 「この花は赤いです」を「in gol qashang ast」とするのは正しいペルシャ語です。口語・会話になるとアストの部分は省略されて、qashangnの次に e だけで済ませます。つまり「イン ゴル カシャンゲ」となります。

キーワード:ペルシャ語、形容詞、ペルシャ語講座、

ペルシャ語講座7:名詞と形容詞

余談ですが、先日愛知県図書館で上の本を見つけました。サーデク・ヘダーヤトの短編集です。イランでは有名な作家です。自殺したと聞いていました。現地にいる時に何冊か買い求めましたが、ちゃんと読むことはできずに積読になったと思います。折角の和訳があるので読んでみることにしました。それはそれとして、今日のペルシャ語講座です。

今回も基本的なところで名詞と形容詞を扱います。まず、ペルシャ語には男性名詞や女性名詞という区分はありません。だから、それによって動詞が影響されるようなこともないので、簡単です。複数形の作り方について少し説明しましょう。

名詞の後ろに ha-  ハー ها  を付けるだけです。簡単そのものです。例えば book はketa-bですから、keta-b haで結構です。ケターブハーです。

ただし、例外というか、そうでないものが少しあります。ありますが、少しなので大したことではありません。

子供は「バッチェ」です。「バッチェハー」でも間違いではありませんが「バッチェガーン」が一般的です。

イスラム教とは「モスレム」です。複数は「モスレミン」。「モスレマーン」ともいうかな?ちょっと自信ない。

すぐには思い出せませんが、ほかにもいくつかあると思います。アラビア語からきた単語に多いのかもしれません。おいおい覚えていけばいいでしょう。次に形容詞です。

形容詞の使い方は、名詞の後ろに置きます。大きいは「ボゾルグ」です。「大きい本」の場合は 本(ketab) の後ろに「ボゾルグ」を置きます。ローマ字で書くと、 ketab-e-bozrg となります。見てお分かりのように ketab と bozrgのあいだにeがあります。これはエザフェというものですが、名詞の後ろに形容詞が付くと、e エ という音が付いて、繋がります。ペルシャ語の文字には何も付記されません。状況から判断してエの音を入れて発音することになります。

大きい本 ケターベ・ボゾルグ ketab-e-bozrg کتاب بزرگ
小さな車 マシーネ・クチェック mashin-e-kuchek ماشین کوچک
美しい花 ゴレ・カシャング gol-e-qashang پل قشنگ
美味しいパン ナーネ・ホシュマゼ nan-e-khoshmazeh نان خوشمزه
冷たい水 アーベ・サルド ab-e-sard آب سرد

 

名詞や形容詞の単語をどのようにして覚えるのかという問題があります。書店で単語集を購入するのが手っ取り早い方法です。しかし、文法書にしても単語集にしても高価ですね。でも一冊は必要かもしれません。このブログをご覧の皆さんはインターネットを利用しているわけですから、グーグル翻訳を使えば必要な単語は簡単に知ることができます。日本語とペルシャを対比させておけば、左側に日本語を打ち込めば、即座にペルシャ語が現れます。短文でも同じことです。一度利用してみてはいかがでしょうか。

形容詞には比較級や最上級もあるわけですね。それについてはまた後日ということで、今日は形容詞は名詞の後ろに付けるが、その時に名詞の語尾にe エの発音が付いてつながるということを覚えてください。

キーワード:ペルシャ語、名詞、形容詞、サーデク・ヘダーヤト、

ペルシャ語講座6:動詞現在形の作り方

به مدرسه میروم 私は学校へ行きます。

前回動詞の過去形に続き、今回は現在形です。過去形の方が簡単だから過去形から始めたのですが、現在形も難しくはありません。現在形には全て「ミ」「mi」「می」が頭につきます。そして、前回、動詞には「原形」があると説明しました。原形から過去形が簡単に作れるということでしたね。もう一つ、動詞には「語幹」というものがあります。現在形はこの「語幹」から作ることになります。ペルシャ語の学習者は動詞を勉強するときには、この「原形」と「語幹」を口に覚えさせるのです。例えば、「行く」の原形は「ラフタン」でしたね。語幹は「ラヴ」です。ですから、学習者は raftan—rav と覚えます。他の動詞も紹介すると次のようになります。

  • 来る  o-madan —–o-    オーマダン オー
  • 見る  didan —- bin   ディダン ビン
  • 持っていく  bordan — bar    ボルダン バル

そこで現在形ですが、この語幹の前に mi を付けて、語幹の後ろに人称別の語尾を付けます。例えば「私は行きます」の「行く」は mi-rav-am となります。あなたが行くなら mi-rav-i  彼・彼女なら mi-rav-ad, 以下複数形は一人称から順番に mi-rav-im,  mi-rav-id,  mi-rav-and となります。前回の به مدرسه رفتم  私は学校へ行きましたを現在形にすると به مدرسه میروم beh madoresseh miravam となります。

現在形の作り方、いかがでしたか。語幹に人称語尾と頭にmiを付けるだけですから、簡単でしたね。上にあげた「来る」「見る」「持っていく」についても同様に現在形を作ってみてください。

それから発音について、少し付記します。「行く」という単語の場合、1人称の場合、miravamですが、これは正式な発音ですから間違いではありません。しかし、そのように発音していた私に友人たちからは「お前の発音はketa-bi-だ」と指摘されました。keta-bとはbook=本ですから、書き言葉、読み言葉的だということで口語では違う言い方をするのです。miravamはmiramとなります。miraviはmiriに。miravadはmireに。miravimはmirimに。miravidはmirid。miravandはmirandとなるわけです。最初からそのような発音を覚える必要はありません。イラン人と会話していると自然に覚えることができるでしょう。でも、彼らの会話を聞いた時にこのことだとちょっと頭に入れておくと、戸惑うことはないかも知れません。go=行く という言葉は日常、頻繁に出てくるので申し添えました。他の単語はそのまま発音してください。

キーワード:動詞の現在形、語幹、原形、

ペルシャ語講座5:動詞過去形の作り方

به مدرسه رفتم  私は学校へ行きました。

今回は動詞です。基本的な決まり事をきちんと覚えておきましょう。動詞にはまず「原形」があります。英語の go で説明すると、原形は raftan です。ペルシャ語では رفتن と書きます。ペルシャ語の文字で r f t n の4文字です。 ra-f-t ‐の後に、第一人称の場合 m م を付けます。そうすると raftamとなります。ペルシャ語では رفتم です。そしてこれがgoという動詞の第一人称過去形となります。

  • 一人称単数過去   ラフタム raftam      رفتم
  • 二人称単数過去   ラフティ rafti          رفتی
  • 三人称単数過去   ラフト  raft           رفت    簡単ですね。
  • 一人称複数過去   ラフティム  raftim   رفتیم
  • 二人称複数過去   ラフティッド raftid    رقتید
  • 三人称複数過去   ラフタンド  raftand   رفتند

このように動詞の原形の末尾を変えるだけで動詞の過去形ができます。 go を例にしましたが、英語の say の場合は goftan ゴフタンですから。「私は言った」はゴフタム goftamです。以下、gofti,  goft,  goftim,  goftid,  goftand ということになります。

良く使う動詞は英語の give かな。dadanが原形なので「私は与えた」は、dadam,  以下 dadi,  dad,  dadim,  dadid, dadandとなります。

  • 折角なので「私は学校へ行きました」はどうなるでしょうか。
  • 学校   マドレッセ
  • ~へ   英語の to ですが、ペルシャ語では behです。
  • 完成形は  マン べh マドレッセ ラフタム です。
  • べの後ろにhを付けたのはペルシャ語のスペルがbとhでべの後に息を抜くような感じがあります。
  • 語順は日本語に近く、「私は へ 学校 行きました。」ですね。最初のマンは私という意味ですが、動詞の語尾が一人称の語尾なので、マンは付けてもつけなくてもいいことです。「私はねえ~・・」という風に私を強調したければ付けると良いですね。

読み書き、そして会話のためには単語を沢山覚える必要があります。動詞をいくつか紹介しておきましょう。

  • 来る     オーマダン
  • 持ってくる  アーヴァルダン  a-vardan
  • 持っていく  ボルダン                  bordan
  • 支払う    パルダークタン       parda-khtan
  • 着る     プーシダン              pu-shidan
  • 買う     ハリダン                  kharidan
  • 欲する    ハースタン              kha-stan
  • 走る     ダヴィダン              davidan
  • 見る     ディダン                  didan
  • 打つ     ザダン                      zada
  • 洗う     ショスタン               shostan
  • 聞く     シェニダン
  • 理解する   ファハミダン           fahmidan
  • する     キャルダン
  • 取る get    ゲレフタン
  • 座る     ネシャスタン
  • 書く     ネヴェシュタン

ペルシャ語講座4:挨拶の会話

今回は「挨拶」にしましょう。ペルシャ語の挨拶の前に先ずはイランもイスラム社会ですから、イスラム圏共通の挨拶がありますね。皆さんご存知の「サラーム」です。「平和」だとか「平穏」というような意味です。アラビア語では定冠詞のalアルがつくので「アッサラーム」となりますが、イランのペルシャ語では単に「サラーム」でいいです。アラビア語では「アッサラーム アレイコム」とも言いますが、ペルシャ語では「サラーム アレイコン」。勿論、アラビア語のようにアッを付けて言っても構いません。この挨拶に対する返事はアラビア語の場合「アッレイコム アッサラーム」ですが、ペルシャ語では返事も「サラーム」または「サラーム アレイコム」とそのまま返すのが一般的かと思います。それでは以下にペルシャ語の日常的な挨拶を紹介しましょう。

  • おはよう   ソブ・ベイル   sobh bekheir
  • ソブは朝。ベヘイルはgood。ですからソブ・ベヘイルは文字通りgood morningです。
  • こんにちは  ルーズ・ベイル  ru-zu bekheir
  • ルーズはdayですから、good dayという意味です。
  • こんばんは  シャブ・ベイル  shab bekheir
  • シャブは夜ですから、good eveningと同じです。
  • さようなら  ダー・ーフェズ  khoda- khafez
  • ホダーは神様。意味は「神様のお加護を!」がさようならの言葉です。
  • 発音で注意するのはカタカナではハヒフヘホの部分ですが、ローマ字ではkha khi khu khe khoとkが付いている部分です。ペルシャ語では خ という文字を使います。上に点が一つ付いています。これは喉の奥を擦って音を出します。点が付いてなければ喉の奥を擦らずに普通にハヒフヘホの音で結構です。この喉の奥を擦る音がペルシャ語を学習し始めた時の最初の難関ですが、すぐになれます。この音はアラビア語も同様ですペルシャ語で発音の難しいのはこれ位でして、アラビア語に較べるとかなり易しいと思います。

次の挨拶は英語でいうと「how are you」です。ペルシャ語は「ハーレ・ショマー・チェトウル・アスト」「ha-l-e shoma- chetour ast」ショマーは既に習った「あなた」です。状態という意味のhalの前にショマーがついて「あなたの状態は(調子)は」となりますが、単語をつなげる場合にエザフェというのですが単語と単語の間に-e-を入れます。hal-e-shomaとなるのです。私の本という場合は ketab-e-man。 あなたの家=khane-ye-shomaとなります。eとかyeを記しましたが、実際には何も書きません。チェトウル=howという意味です。いかが? どう?という意味になります。最後のアストは既に習ったbe動詞ですね。「ハーレ・ショマー・チェトウル・アスト」ですが、チェトウルの部分をkhub = good として調子はいいですか?ということも一般的です。親しい間柄なら、もっとくだけて چطوری チェトウrーイ だけで十分です。答えはまずは「ありがとう」「メルシー」「モテシャッケラム」と言ってから、正式にはhal-e-man khub astですが。普通はkhub-amで十分です。khubはグッド。アムは1人称のbe動詞。I am goodな状態となります。そして、今度は相手に「あなたはいかが?」と問い返すことになりますね。簡単に「あなたは?」だけなら「ショマー?」と語尾を上げればいいですね。日本人なら挨拶はさっと済ませたいところですが、イラン人はそうはいきません。あなたの調子はどうかと尋ねた後は、あなたの家族はどうか?ご両親はどうか?と延々と挨拶が続くのが普通です。

日本でも初めて会ったりしたり、長年会いたかった人に会った時などは「お目に書かれて嬉しいです」というような言い方もあります。ペルシャ語では「アズ ディダーレ・ショマー kホシュハールショダム」となります。ディダールがお目にかかるでして、あなたにですから先ほど説明したエザフェがついてディダーレ・ショマーとなっています。kホシュハールの部分がkホシュヴァクタムともいうかな。

長い間会ってなかったときは「kheili vaqt nadidamet」文字どおり非常に長い間あなたを見なかったと言います。名古屋では「やっとかめだなも」といいます。ヤットカメとは80日とかの意味らしいです。80日ほどぶりの久しぶりですな、という意味とか。今日はここまでだなも???

追加:冒頭に私が昔使っていた「ペルシャ語の慣用句」の参考書の一頁です。この中から一つ紹介しましょう。Life is too shortという英文の部分です。ドンヤー ドウ ルーズ アスト(ast) . دنیا دو روز اسث  ドンヤーというのは「世界」「現世」ひいては人生などの意味。現世はたったの二日! 日本の光陰矢の如し的な意味。だから人生を謳歌しようぜというニュアンスです。実際、若いときに自分でも使った覚えがあります。会話だったので、最後のアストはeエに変えました。ドンヤー ドウ ルーゼ (ru-z-e)と。

キーワード:ペルシャ語の挨拶

ペルシャ語講座3:これは本です。این کتاب است

これは本です。این کتاب است

前回は「私は日本人です」でした。主語・述語・補語という形でした。今回も同じ文型です。This is a bookです。これ=イン(in) 本=ケターブ(keta-b) です=アスト(ast)となります。つまり「イン ケターブ アスト」です。ローマ字で表記すると「in keta-b ast」です。カタカナで書くとアストの部分はastですから asutoではないことに注意して発音してください。 アストはbe動詞のisに相当します。「これは本です」という場合は「in keta-b ast」と覚えてください。名詞の単語を覚えていけば本の部分にその単語を入れれば良いわけです。英語の単数の場合のaや定冠詞のtheについてはここでは気にしないでください。始めから細かいことを言っていたら、前に進まないし継続できなくなります。要は「これは****です」は「いん ****アスト」でいいわけです。「これ」でなくて「あれ」にしたいなら「イン」を「アーン」にしてください。

「これは本です」は三人称単数でbe動詞はアストでした。前回は「私」と「あなた」でしたが、「彼」を追加しましょう。「彼は日本人です」=「ウー ジャポイニー アスト」となります。英語のthis is a book.. He is a Japanese.とおなじようにis=astが使われていますね。英語とは異なり、彼も彼女どちらもウーです。

複数形はどうなるでしょうか。これ➡これら=インハー という風にハーをつけます。ケターブの複数形はケターブハーとなります。これ➡これら=インハー。あれ⇔あれら=アーンハーでいいです。彼ら、彼女らはアーンハー(またはイーシャーン)です。アーンをつけて複数形を作るのが一般的ですが、そうでないものもあります。というものの限られたものであることと、規則性があるのでボチボチ理解できるようになると思います。焦らないで、ゆっくり楽しみながら進みましょう。

 

ペルシア語講座2 私は日本人です。من ژاپنی هسثم

私は日本人です。من ژاپنی هسثم

ペルシア語講座を開講すると言ったが、いざ始めようとすると何から始めればいいのか戸惑った。表記はカタカナかローマ字か?アラビア文字をどうするか?いきなり文字は取りつきにくいからカタカナとローマ字併用でやってみよう。市販されている参考書と同じではここで作る意味がない。簡単な会話ができる程度の内容にしてみよう。

先ずは、人称代名詞から 私=マン=man。 私は日本人です。マン ジャポニー ハスタム 簡単でしょう。次に2人称であなたは=ショマー。複数形も同じくショマーでいい。単数形で親しい中であればトウ=tou が使われる。 あなたはイラン人です=ショマー イラニー ハスティ となる。あなた方はイラン人です=ショマー イラニー ハスティド(hastid)である。 単数の場合にもhastidを使うこともある。 ここで英語のbe 動詞 amはhastamである、hastに1人称の語尾amが付くのでハスタムとなる。

2人称の場合は単数がiで、複数はid(イッド)がつくので、hasti, hastidとなる。この語尾の形はbe動詞以外の一般動詞の語尾も同様である。 私たちは=マーである。ローマ字で書くとmaだがaを伸ばす。aの上に横棒を引いて表したいのだが、このパソコンではそれができないのでカタカナでマーとしておく。私たちは中国人です=マー チーニー ハスティム となり、語尾はim となる。ちなみに日本人はジャポニー、中国人=チーニー、トルコ人=トルキー、アメリカ人=アムリカイー、ドイツ人=アルマニー、フランス人=フランサヴィー、英国人=エングリーシーかな。アラブ人=アラビー。

今日はここまでです。

追記 ハスティドとカタカナで書くとティドとなるが、ローマ字の場合 idとかいたように、dの後ろに母音はありません。ドではなくてdです。

ペルシア語講座1(はじめに)

ペルシア語は美しい言葉である。アラビア文字を使用するために一見して取っつきにくい、難しそうと思うのであるが、それほど難しい言語ではない。というのは、アラビア語に較べると語彙の変化が殆どないという点が大きな理由である。このブログの新たなジャンルとして今回から「ペルシア語講座」を入れることにした。

ペルシア語はインド・ヨーロッパ語族に属する言語である。従って、英語に近い言語である。ペルシア語を学び始めるとすぐに、英語と同じ語源である語彙に出会う。例えば、娘・少女はدخترと書いて dokhtar (ドクタル)と発音する。英語の daughter である。英語ではスペルの中のghを発音しないが、ペルシア語では明確に喉の奥を擦るようにして発音する。英語でも昔は発音していたのかもしれない?。男の兄弟は brother である。ペルシア語では برادر と書いて barodar (バローダル)である。語源は同じである。というものの何もかもが一緒というのではなく、むしろ探せばあるという程度かもしれない。

先ほど、それほど難しくないと言った。それは変化が少ないからだと述べた。ペルシア語の場合は単数の名詞を複数にする場合は単数の語尾に ها ha を付ければよい。語彙によっては a-n (アーン)の時もある。ganという例外もあるが。そしてあとは動詞の語尾が人称によって変化する。詳しいことは各論の中でゆっくりと説明することにしよう。

最初にペルシア語は美しい言葉であると述べた。前回、ペルシアの詩人の話をしたが、是非ともペルシア語の詩を聞いてもらいたいものだ。過去の有名詩人の作品でもいい。現代詩人の詩でもいい。内容が分からなくとも聞いてるだけで癒されるリズムと旋律で詩が詠まれるのである。fereydoon Moshiri のkuhcheh(路地)をユーチューブにリンクしてみた。

冒頭の文法書は私が昭和40年に大学一年生で最初にペルシア語を学んだ時のものである(これは社会人になってイラン駐在時にテヘランの書店で買ったものであるが)。当時、日本語で書かれた参考書はどこにもなく、英文で書かれたこれが大学で使う教科書であった。またネイティブのペルシア語は客員教授のカーゼン・プール先生のものしかなかった。今ではインターネットやNHKワールドなどでもネイティブの音声はいくらでも聞けるが、当時はそうではなかった。隔世の感である。

キーワード:ペルシア語、ペルシャ語