ラマダン(断食)が始まりましたね。イエメン内戦では休戦協定。ウクライナは?

ウクライナ国旗

今年もラマダンが既に始まりました。4月3日から5月2日までということです。ウィキペディアの冒頭には次のように書かれています。
ラマダーンまたはラマダン(アラビア語: رمضان‎、フスハー発音:[ra.ma.dˤaːn]、ペルシア語: رمضان‎、ウルドゥー語: رمضان‎、発音:[ra.ma.zaːn]、トルコ語: Ramazan、インドネシア語: Ramadan)は「熱い月」の意味で、ヒジュラ暦(イスラム暦)での第9月を指す。この月の日の出から日没までの間、ムスリムの義務の一つ「断食(サウム)」として、飲食を絶つことが行われる。
アラビア語、ペルシア語、ウルドゥー語、トルコ語、インドネシア語での表記と発音が示されています。アラビア語もペルシア語もアラビア文字の綴りは同じですが、発音はアラビア語がラマダン、ペルシア語はラマザンです。アラビア文字の ض の発音が異なっているのです。ラマダンのダという発音は日本語のダとは少々異なる音です。それに引き換えペルシア語やウルドゥー語のほうはzで示されるので日本語のザの音そのままで、ラマザンでいいです。私はペルシア語出身なので常にラマザンというのですが、そういうと日本人からもラマザンではなくてラマダンだよと注意されたことがあります。

そんな言葉の意味を言いたいわけではないのです。ラマダンになると中東地域ではイスラム世界なので戦争や紛争時であっても、しばらくは休戦にはいるのが常であります。「腹が減っては戦ができぬ」というわけではなく、この聖なる断食月に争いごとなどもってのほかということでしょう。断食を体験することで日頃の食事に感謝、貧しくて食糧難に瀕している人々に思いをはせる。喜捨の精神を実行するなどなど、身と心を浄める期間なのであります。イエメンでの内戦が続いていますが、ラマダンにあたり休戦協定をしています。しかしながら、協定破りがなされているというニュースも伝わってきています。イエメン内戦というものの、サウジアラビアとイランの争いというのが定説です。イエメン紛争についてはこのブログでも書いたことがありますが、単純なものではありません。

さて、本当に言いたいことは次のことです。ラマダンはイスラム世界の年間行事ですが、ウクライナの戦争に休戦はないのかということです。米国CIAの資料をみると、ウクライナは
正教会(ウクライナ正教会(OCU)、ウクライナ独立正教会(UAOC)、ウクライナ正教会-モスクワ総主教区(UOC-MP)を含む)、ウクライナギリシャカトリック、ローマカトリック、プロテスタント、イスラム教徒、ユダヤ教(2013年推定)。 )
ウクライナの人口は圧倒的にキリスト教徒です。大多数(最大3分の2)は、自分たちを正統派として識別しますが、多くは特定のブランチを指定していません。OCUとUOC-MPはそれぞれ国の人口の4分の1未満を占め、ウクライナギリシャカトリック教会は8〜10%を占め、UAOCは1〜2%を占めています。イスラム教徒とユダヤ人の信奉者はそれぞれ、総人口の1%未満を構成しています。一方、ロシアは次の通りです。
ロシア正教会15-20%、イスラム教徒10-15%、その他のクリスチャン2%(2006年推定)

推定値は、崇拝者の実践に関するものです。ロシアには、非実践的な信者と非信者の人口が多く、ソビエトの支配下での70年以上の公式無神論の遺産です。ロシアは、正教会のキリスト教、イスラム教、ユダヤ教、仏教を国の伝統的な宗教として公式に認めています。

ロシアはロシア正教とその他のクリスチャンを合わせても20%台ということです。旧ソ連時代の共産主義時代に宗教は抑えられたのでしょう。でも伝統的はロシア正教のキリスト教が主というイメージです。そしてウクライナは圧倒的にキリスト教ですね。宗教的にはキリスト教という共通域があるわけです。でもプロテスタントなどの宗派の違いで争いごともありましたし、イスラムでも宗派の違いで争いはあります。何とか理由をつけて休戦にもち込むことはできないのでしょうか。クリスマスならどうかとは思うのですが、まだ12月までは遠いです。毎日、ニュースを見るたびにウクライナで数多くの人が殺害されていることに憂鬱になります。日本も避難民を受け入れ始めました。NATOの国々はウクライナ支援のために武器の供与を積極的に行っています。武器商人は大儲けしているようです。戦いはますますエスカレートしてしまうでしょう。ロシアは核施設を攻撃もしました。核兵器の使用も厭わないという伝聞もあります。私たち普通の日本人は「だから、核兵器は廃止しなければならない」と思うのですが、日本の多くの政治家は「だから、核を保有しなければ侵略されてしまう」と論じているようです。バカ野郎と言いたいものです。