コーランについて(1):第1章・・・開端

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2019年1月31日と2月1日に「イスラムの啓典:コーランについて(1)と(2)を書いています。あれからもう1年以上が経過したのですね。今後、時々になるでしょうが、コーランの中身について、少し詳しく取り上げてみようと思います。今回は第1章を取り上げましょう。

コーランの初めの章ですから、「開端」とか、「開扉」と訳されています。イスラム教徒の人たちは、この章を毎日の礼拝の時に唱えます。そうです、礼拝は毎日5回ですから、この章句も5回唱えることになります。コーランは全部で114の章で成っていますが、それぞれの章はいくつかの節で構成されています。この開端の章は7つの節でできています。最も短い章は108章でして、わずか3つの節しかありません。第1章が「開端」と名付けられているように、全ての章には名前が付けられています。追々紹介していきましょう。さて、開端の章ですが、日本語訳を紹介しておきましょう。訳は岩波文庫(井筒俊彦著)「コーラン」より。

慈悲ふかく慈愛あまねきアッラーの御名(みな)において・

  1. 讃えあれ、アッラー、万世(よろず)の主、
  2. 慈悲ふかく慈愛あまねき御神、
  3. 審き(さばき)の日の主宰者。
  4. 汝こそ我らはあがめまつる、汝にこそ救いを求めまつる。
  5. 願わくば我らを導いて正しき道を辿らし給え、
  6. 汝の御怒りを蒙る人びとや、踏みまよう人々の道ではなく、
  7. 汝の嘉し(よみし)給う人々の道を歩ましめ給え。

井筒先生の訳は文語調であるので現代人には少し難しいい気もします。そこで作品社(中田考監修)『日亜対訳クルアーン』の訳を以下に紹介してみましょう。

  1. 慈悲あまねく慈悲深きアッラーの御名において
  2. 称賛はアッラーに帰す、諸世界の主に、
  3. 慈悲あまねく慈悲深き御方、
  4. 裁きの日の主宰者に、
  5. あなたにこそわれわは仕え、あなたにこそ助けを求める。
  6. われらを真っすぐな道に導き給え、
  7. あなたが恩寵を垂れ給うた者たち、(つまり)御怒りを被らず、迷ってもいない者たちの道に

こちらの訳にしても同じように難しく感じるかもしれないが、意味はお分かりいただけることでしょう。アッラー(神)がいて、我らは神に仕え、そして神は我らを導いてくださるようにという祈りの文言であろう。日本語訳を紹介したのであるが、日本語のこの訳文を唱えてもコーランを唱えたことにはならない。キリスト教の聖書は、日本語訳の物はそれはそれで日本語訳された聖書である。が、イスラムの場合はコーランが書かれたアラビア語で詠むことが必須なのである。おそらく、多くの言語に訳されていくうちに神の言葉の真意が伝わらなくなってしまうという危惧からそうなったのであろう(私見)。従って、貴方がイスラム教徒になったなら、コーランをアラビア語で唱えなければならないのです。せめて、この第1章だけは唱えられるようにしておきましょう。私はイスラム教徒ではありません。でも勉強はしています。この開端の章をアラビア書道で書いたものが次の画像です。これ一枚をまあまあ良しとして書けるまで3か月かかっています。それでもその前のナスヒー書体の時は6カ月もかかったのでした。

さて、今回はこれまでにしておきます。今後、どういう風に各章を取り上げていくか、大きな課題ができました。旧約聖書との関係なども面白いかなと思っています。お楽しみに!

 

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