ペルシアの細密画(ミニアチュール)

前回のハータムカーリーの額に入れるにはペルシアの細密画(ミニアチュール)が最高にマッチすると思うのだ。というものの細密画の質が重要ではあるが。ここに挙げたものは一応、名の知れた作家のサインがあるので、いい方のものであるが、もっと上質なものになると睫毛や眉毛、髪の毛の一本一本が細かく描写されている。この作品は近くで虫眼鏡でみても、そういう風ではない。しかし、壁に飾って少し離れたところからみる限りにおいては良い方である。絵の部分だけを少しアップにしたものが次の画像である。

次に、この作品とペアの物を示そう。同じ作者のものである。王人が酒を飲んでいる風景である。オマル・ハイヤームの詩に出てくる風景であろう。ハイヤームはイスラム社会に居ながら、酒をこよなく愛し、「酒なくて、何の人生や!」とうたった詩人である。ついでにハイヤームの詩を一つだけ紹介する。他の詩は今度また改めて紹介することにしたい。(平凡社、『ルバーイヤート』岡田恵美子訳より)

3つめは少し大きい作品である。ハータムカーリーの額がよく合っている。これはペルシアの歴史物語の場面であろう。先の二つとは全然画風も異なっている。

細かい点を見るために、額を外して部分的に見ると次のようになる。