オリエント世界 (4) ユダヤ人の解放

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上の図は帝国書院発行の『最新世界史図説・タペストリー』から拝借したものであるが、アッシリアが崩壊したあとの四王国時代が描かれている。そして、その後のオリエントを再び統一したのはメディアの支配下から立ち上がったペルシア人のアケメネス一族である。アケメネス一族はアステュアゲス治下のメディアを陥落させたあと、クロイソス治下のリュディアを、ナポニドス治下の新バビロニアを征服していった。そしてアケメネス朝ペルシアが誕生した。王位に就いたのはキュロス大王であり、スサに最初の都を築いた。彼が新バビロニア王国を打ち破ったあとに最初に行ったことは、バビロニア捕囚、つまりユダヤ人たちの解放であった。ユダヤ人たちはパレスチナに戻ることができ(戻らなかった人もいる)、破壊された神殿を再建したのであった。ユダヤ人の歴史はこのあとハスモン朝の建設、ローマの支配下、ローマとの闘いなどと続くのであるが、それはまた別の機会に譲ろう。ここでは、ユダヤ人たちがバビロン捕囚の身から解放してくれたのがペルシアのキュロス大王であったということを強調したいのである。現在、ペルシア人のイランとユダヤ人のイスラエルは犬猿の仲であるが、古代の歴史を振り返れば、ユダヤ人たちはペルシア人たちに大きな借りがあるということになる。旧約聖書のエズラ記の冒頭は「ペルシアの王キュロスの布告」である。キュロス大王がユダヤ人たちにエルサレムへの帰還を許し、神殿を再建することを許すということが布告されたと記されているのである。ユダヤ人にとってキュロス大王は英雄だったのである。

 

 

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