最近の中東情勢

メディアのニュースはロシアとウクライナの戦況が中心である。そして、国内では国会・政治が、特に統一教会と自民党のズブズブの関係に関わる問題で大賑わいである。山際大臣の国民をバカにしたような受け答えの繰り返しには本当に苛立ちを覚えた。先日やっと辞任したのであるが、これで終わりというわけにはいかない。そんなこんなで、中東のニュースなどは皆無に近い状態である。

イラン:
その中で、一番注目されたのはイラン女性のヘジャブの問題であろう。ヘジャブをきちんと被っていなかった女性が連行された後で、死亡したという事件が発端で反体制デモが拡大したニュースである。デモに参加した人々と警察の小競り合いが拡大し、ここでも逮捕されたり死者がでた。デモに参加した女性が死体で見つかったともいう。ヘジャブの着用強制に対する抗議は非民主的な社会体制への抗議と変化していっている。政府はインターネットの規制に乗り出して、SNSが利用しにくくなっている。私のイラン人の知人のインスタグラムの投稿も途絶えがちになっている。インスタグラムの投稿の中にはシャー(国王)時代の書籍の写真などをアップしているものも見受けられる。決してその時代に戻ればいいというような色ではなく、それらの書籍を紹介しているだけという形ではあるが、反体制の意思表示なのであろう。シャーの息子も投稿しているのは勿論である。どこにいるのか私には分からない。

イラク:
今月の13日、イラクでは新大統領が選出された。新大統領はラシード氏、78歳。元水資源大臣でクルド人。イラクでは宗教間対立を避ける為に大統領はクルド人、政治的実権を持つ首相はシーア派から選び、議会の議長はスンナ派から選ぶのが慣例である。ラシード氏が首相を指名し、1カ月ほどかけて組閣に取り組む。首相には元人権相スダニ氏を指名したとも伝えられているが、首相を選ぶにあたり内部抗争が激しくなることが予想される。つまりここでも親イラン派とそうでないものの対立が常にあるのである。