クルド人作家の『イスタンブル、イスタンブル』

前回は1月初めに「しばらく遠ざかっていたブログだが、新年になったので、再びこまめに書き始めよう」と意思表示したのであったが、何も書かずに2月下旬になってしまった。パレスチナの戦争や、ウクライナの戦争も停戦からほど遠い状態が続いているせいかもしれない。重い腰を上げて、今回はいま遅々と読んでいる本を紹介しようと思う。

ブルハン・ソンメズ著『イスタンブル・イスタンブル』である。新聞の書評によると、トルコの大作家であるという。クルド人であるとのこと。クルド人の作品は読んだことがないので、すぐに買い求めたのである。彼自身クルド人として弾圧を受け、人権弁護士として反政府活動に身を投じたとのこと。その結果、英国に亡命ということである。

クルド問題はパレスチナ問題と同等に大きな問題でありつづけてきた。クルド人はトルコ、イラク、イランの3つの国に居住した大きな民族である。でもそうではない。クルド人の土地(クルディスタン)に3つの国が国境線を引いた結果、クルディスタンが3つの国に分断されたのである。分断されたクルド人がそれぞれの国の政府と対立を繰り返して今に至った。第一次世界大戦後にはセーブル条約によってクルド人の国ができようとしていた歴史もある。・・・・ごちゃごちゃ言うのはやめておこう。話はこの本のことである。牢獄の中を舞台にして囚われた人々の会話が続いている。重苦しい内容であるが、あまり前に読み進めない。今私が言える感想はそれしかない。今日のような天気の良い、穏やかな日には読む気になれない。かと言って、昨日のような嵐のような風が吹いて寒い日にも、この本を手に取る気にはならなかった。でも、虐げられた人々の声を中東専門家として聞く、知ることは当然やらねばなりません。少し時間がかかるかもしれませんが、読み終えるつもりです。

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