イスラム暦とは

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前回、イスラム暦の紀元は622年のヘジラの年であると述べた。そこで今回はイスラム暦について説明しよう。まず暦というものが世界に1つというものではないということを改めて認識しましょう。中国ではまもなく春節(正月)になります。日本でも昔は旧暦を使っていました。マヤ暦というのも数年前に話題になりましたね。ユダヤ暦というのもありますね。だから、イスラムでは独自のイスラム暦を使っているからといっても、それは何も特別なことではないということを先ずは認識しておいてください。てそこでイスラム暦です。

太陰暦である。ということは月の満ち欠けに基づいた暦であるということ。ひと月は新月から始まる。それぞれの月には名前がついている。9番目の月の名はラマダーンといって断食月である。12番目の月は巡礼月。詳しくは次のようになる。

29日の月と、30日の月が交互に繰り返すから、それぞれが都合6回ずつになる。つまり1年の日数は355日である。我々の1年が365日に較べると11日間少ないことになる。従って、我々の暦は季節に一致しているが、イスラム暦では季節が少しずつずれてくる。分かりやすくいうと、例えば今年我々の1月1日とイスラム暦の1月1日が一緒だったとすると、我々の暦の今年の12月20日にイスラム暦では一足早く翌年の1月1日になる。そうして毎年11日ずつ前へ前へと行くので1月1日が冬から次第に秋になり、だんだん夏になっていくとうことになる。だから、あの断食の月も秋になることもあれば夏になることもあるわけである。お判りいただけたであろうか。

イスラム世界での行事、祝祭日などはイスラム暦をもって執り行われる。一方で、現代のようなグローバル化された時代においては、国際間のやり取り上でどうしても西暦も必要になっている。従って、多くの国々では西暦と併用することが一般的である。昨年だったか、サウジアラビアでも西暦を一般化するような方針を打ち出したようだった。そうなると、今より1年が11日増えることになる=働く日が増えるから反対だというような声もあったとか報じられていた。当事者でないと分からない感覚だと思ったのである。

イスラム暦は太陰暦であると言ったが、イスラム暦と紀元を同じくした太陽暦もある。それはイランの暦である。イランも同じイスラムの国である(但し、十二イマーム派のシーア)ので、イスラムの行事はイスラム暦に従うのは当然であるが、日常生活の暦は太陽暦を用いており、正月の元旦は毎年3月の春分の日である。このことは既にゾロアスター教のところで述べたとおりであるが、ゾロアスター教の影響である。イラン人の暦には西暦とイスラム暦とイラン暦の3つが一緒になっているのである。

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